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こゆきちゃんは、今、7か月の女の子です。



写真を撮る前までいい子にお座りしていたのですが、「写真を撮りましょう!」と言った途端に動いてしまいました。あまり上手に写真撮れなかったね。。。



さて、こゆきちゃん、今度の週末に脳のMRIを撮りに遠くの病院さんまで行ってきてもらう予定です。


今は元気にしてくれているのですが、ほんの3週間ほど前にいつ亡くなってもおかしくない状態で入院していました。



うちの病院に最初に来てもらったとき、こゆきちゃんは意識がなく、けいれん発作を起こした状態で来院しました。少し専門的な用語でお話しすると、「重積発作」というけいれん発作が長い時間起こっているという状態で来たのです。


けいれん発作、長く続いてしまうと脳に障害が出てきてしまうこともあるので、はやく止めないといけません。


たいがいの子は注射をすればけいれんが止まってくれます。けいれん発作を抑えるお注射は、少し眠気が出るお注射であったり、軽い麻酔薬のようなもので、注射を打ってあげると、けいれんも止まり少し眠くなるのです。




しかし、こゆきちゃんは違いました。けいれんがなかなか止まらないのです。


それでも複数回注射したり、薬の種類を変えることで寝てくれることが多いのですが、、、こゆきちゃんまったく反応なくでした。


分厚い参考書を読みながら発作が止まらないときの対処法を読みながらいろいろやっていくのですが、どうにもこうにも止まらない。そしてこゆきちゃんは、とうとう最終手段まできてしまったのです。


最終手段、麻酔で深く寝かせるです。そして、いくらやっても止まらなかったこゆきちゃんの発作は、麻酔をかけたことによってようやく止まってくれたのです。



麻酔をかけ始めたのが夜の10時でした。麻酔をかけると呼吸も止まってしまうので、目が覚めるまでずっと隣で見ていなければなりません。


麻酔をかけて寝かしている間、特別追加で注射したりとか、処置したりということはほとんどないです。ただ見てるだけです。


この見てる時間、本当に色々なことを考えます。普通に「眠たいな」とか「ふとんで寝たいな」と思うタイミングもあります。「これで発作止まらなかったらどうしよう」とか「麻酔かけたまま起きなかったらどうしよう」とか「(発作が長引いた影響で)後遺症が残ったらどうしよう」と不安になる時間があります。またこゆきちゃんを連れてきたとき、小学生のおねえちゃんの姿も見えたので、「これでダメだったら悲しんじゃうかな」とだいぶネガティブな感情もでてきます。


今回深夜だったため、ひとりで患者さんを眺めているのですが、この眺めている時間がすごくみじめで、獣医師として無力感を感じる時間でもあります。治療としては手詰まりになってしまい、もう「お願いだからこの子を助けてあげてくれよ。。。」と祈ることしかできないのだから。



麻酔をかけ始めて1時間くらいして一度覚醒させましたが、再度けいれんが起こってしまったため、再度麻酔をかけて寝かしました。麻酔を覚まし、けいれん発作も止まって、もう大丈夫かな?というのを確認したときには朝の6時になっていました。


そこからこゆきちゃん、1日ほとんど意識が回復しない状態で過ごしていました。




1日、けいれん発作が再発しないかどうかヒヤヒヤしながら見ていました。



「大丈夫かな。。。」と不安になりながら見ていましたが、その次の日、意識が徐々に回復してきて、ちゅーるも食べることができましたし、午後にはふらつきながらも立ち上がれるようになったのです。





発作の再発もここ3週間くらいなく、GWも自宅で過ごしてもらいました。




今までけいれん発作をとめるのに麻酔をかけてまで行う経験はありませんでした。こゆきちゃんのおかげで私自身の経験積むことができましたし、あきらめなくてよかったです。こゆきちゃんの生命力のおかげだよ。



今度はMRIですね。脳に大きな病気がないことを祈っています。

 
 

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