1年くらい前になるかと思います。
・・・ごめんなさい、特別怖い話でもなんでもないです。

朝病院に出勤してきて、電気も付けず、入院している患者さんの注射を準備しているときだったと思います。
私の足元に、猫の形をした陰が見えました。見えたと思ったのです。
「あれ、だれか逃げてる?」と思ったのですが、その陰はすぐに消えていってしまいました。
自分も疲れていたのかな。多分見間違えたのだろうとも思っております。でも、病院は病院です。普通の場所と比べると多くの動物が命を落としてしまうところでもあります。べつに猫の霊とか犬の霊とか出てきてもなんら不思議ではないんだろうなと思いました。
私自身霊感というものがまったくなく、霊だとしたら見るのは初めてなのかな?という感じでした。
ただ、その猫ちゃんの陰は、しっぽをピンと挙げていたのでなんら怖くありませんでした。

20年ほど前ですが、うちにはキュウちゃんというねこがいました。
先日写真を整理していたら、高校のときに使っていた携帯の中に写真が残っていたので懐かしく思っていました。
キュウちゃんは、本当に人懐っこい子で、よく人の肩にのって髪の毛を毛繕いしてきました。高校のとき寮から帰ってくると毎晩遊んでくれました。
高校2年の夏、夏休みが終わり寮に帰った最初の土曜か日曜の日だったと思います。夢で急にキュウちゃんがでてきて、「ごめんね、今までありがとうね」ととても流暢な日本語で言ってきたのです。
なんだろうと思ってたら、携帯に着信が来て、親から「キュウちゃんが亡くなったよ」と連絡があったのです。
なんか旅立つ前に夢にでてきてくれたのかなと思います。すごい気が利いた子だったのだなと思いました。
自分の目の前に現れてくれた陰がキュウちゃんだったらよかったな、このままずっと見えてて欲しかったとも感じています。
この流れで報告なのですが、
今年の2月にうちのあんちゃんも、突然天国へと旅立っていってしまいました。

あんちゃんは上原動物病院の顔でもあり、ブログとかFacebookにも度々登場してもらっていたので、皆様に報告しなければとずっと思っていたのですが、気が重く、なかなか心の整理もつかず、あっという間に7ヶ月という時が経ってしまいました。
あんちゃんが突然いなくなってから、太陽がずっと沈んだままのような暗さ、静けさが続きました。
今まで1階の診察室で仕事をしているとあんちゃんが階段を登って2階で走り回っている音が聞こえてきてたのですが、亡くなってから無音が響き、寂しさを感じるのでした。
あんちゃんの写真を探すために整理をしていたらキュウちゃんの写真も出てきたのです。
あんちゃんは残念ながら夢にはでてきませんでしたね。でも仕方がないです。自分はあんちゃんにエコー当てたり、ワクチン注射したり嫌なことばっかりしていたのに、なかなかおやつをくれないので、好まれていなかったのだと思います。
それでもよかった、自分が嫌われても長く生きて欲しかった。
わんちゃんもねこちゃんも高齢化が進み、長く生きられる子が増えてきている子が増えてきていることは獣医師としては誇らしく感じる一方、ひとりの人間として羨ましくも感じてしまうようになってしまいました。
でもいつまでもくよくよしているわけにもいきません。あんちゃんよりもより長く、多くのわんちゃんやねこちゃんにお家で過ごしてもらえるように獣医師として努めていかないといけないなと感じております。

突然のお別れで悲しかった、、、いや、7ヶ月経った今も悲しいままなのですが、あんちゃんのおかげで本当に楽しいこともありました。あんちゃんがいなければ、私自身大学時代、社会人時代にあまり実家に帰ってこなかっただろうと思います。あんちゃんもお家が好きだったと思うので、たまにはおばけで出てきてくれてもいいんだよ。とずっとずっと思っています。
そして、最後にまた報告なのですが、上原動物病院、実は8月に新しいわんこを迎えました。

名前はビーちゃんです。
2階からは院長がくしゃみをする音だけはかなり響くもののあんちゃんの足音が聞こえなくなってしまったことがどうしても寂しかったです。
あんちゃんより体重が1/3しかないので音は大きくないのですが、2階で走り回る音が最近聞こえるようになりました。
あんちゃんみたいに病院を明るくしてほしいし、たくさんごはんを食べてほしい。
お散歩しているところに会ったら声をかけてくださいね。
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