- haraherimasita8484
- 2023年6月6日
- 読了時間: 2分

テイラーちゃんは、9歳の男の子です。
5月の中旬に、朝方に左の前足を痛がるということで来院しました。だんだん症状が強くなってきたということでレントゲンを撮影しました。
足を触っている限りは、「手首が痛いかなぁ。。。」と思って見ていたのですが、レントゲンを撮ってみてびっくりで、右の小指の骨が溶けてしまっていました。

レントゲンを撮る前にしっかり指先まで触らないといけないなと感じました。
骨が溶けてしまっていると痛いのと治しようがないのと、悪性腫瘍の可能性もあるので病変部を指ごと切除しました。

手術前に指の写真を撮らせてもらったのですが、病気がある指は腫れているのと、爪が太くなっていました。
幸なことに病理検査結果は、悪性腫瘍ではなく、「爪床角化棘細胞腫(ケラトアカントーマ)」という良性腫瘍でした。摘出してしまえば、再発することはないだろうというものです。
ケラトアカントーマは稀な病気らしく、以前私が勤めていた病院、けっこう大きな病院でたくさん患者さんもくるのですが、それでも1年に1頭も来ない病気でした。
爪が太くなったり骨が溶けたりするらしく、過去の治療報告を見ているとお薬とかで治す方法はなさそうで、断指するしかいまのところはない病気のようです。

今日は術後に傷の確認で再診にきてもらいました。傷はだいぶきれいになってきました。
とりあえず悪性腫瘍じゃなくてよかったです。指が1本なくなってしまいましたが、痛みがなく、元気よく過ごしていただければと思います。
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